ウディ・アレンの”スターダスト・メモリー”な人生


Wikipediaより引用)

ウディ・アレンといえば、
映画「アニー・ホール」で、アカデミー賞監督賞、最優秀作品賞を受賞したことを初め、同賞最多の21回ものノミネートを記録している、アメリカを代表する映画監督です。

1935年生まれ、現在75歳です。

そんな彼の興味深いインタビューの一部(原文は英語)を、以下紹介します。




―――あなたは、人生の意味を見つけましたか?

「いいや。問題なのは、年を取るにつれて状況は悪くなるということだよ。
物事は、だんだんと憂鬱になるばかりだ。
若いうちも憂鬱だが、年を取ってからの憂鬱さは、一層ひどい。」

―――でもあなたは、毎年新しい映画を制作し、素晴らしい奥さんと子供があり、すべてがうまくいっているように見えます。
あなたにとって人生は良好だったのではありませんか?

「まあ、生きとし生けるものすべてが、絶滅に向かって進んでいるシナリオの中では、ある者は他より幸運だとか、ある者はひどい人生だとか、ある者はましな人生を送っているとか言えると思う。僕は、幸運な方だね


けれど、結局はスターダスト・メモリー(本人制作の映画)の最初の場面のようなもの。

すべての電車は、同じ廃品置き場に行く。だから、哀れなホームレスの男はひどい人生で、僕はずっとましな人生だが、結局のところ、彼も消えて無くなるし、僕も消え去る、君も消え去る、地球も消滅し、すべての星々も消滅し、最後に残るのは絶対的な無です。

日々のどたばたや、ひっきりなしに鳴る電話や我々が言う戯言などすべては消滅します。」

―――ということは、あなたは幸福だったことはないと思っているのですか?

「つまり、人生には、楽しみなんてほとんどないということだ。

例えば、仮に君と僕が強制収容所に一緒に入っているとしよう。
僕らはどこかでタバコを見つけて、1分か2分の楽しみを味わうために何かの物陰に隠れることもあるだろう。


しかし、すべての物事はそんなものなんだよ。
結局のところ、君のひどい状況は変わらないし、僕の状況もそう。

人生はとても悲劇的で、意味がなく、残忍なものなのさ。


映画監督として、大成功を収めたウディ・アレンは、自分の人生を

「幸運な方だった」と評しています。

しかし、「人生には、楽しみなんてほとんどない」とも。

最後には「日々のどたばたや、ひっきりなしに鳴る電話や我々が言う戯言など、すべて消滅します」と語っています。


今日か、明日にもそういう日が例外なくやってくると知ったウディ・アレンの目には、人生に本当の喜びは、もはや見出せなかったのでしょう。

死をもってしても崩れぬ幸福とは何か、よくよく私たちは考えねばなりません。